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文化6 分で読める2026-05-10

スペシャルティの「定義」とカップスコア

80点以上はなぜスペシャルティと呼ばれるのか

カッピングスコア 80点以上 — この基準はどこから来て、何を測っているのか。SCA の評価項目と、スコアを読み解くポイントを解説します。

「スペシャルティコーヒー」という言葉は 1974 年、エルナ・クヌッツン女史によって生まれました。その後、米国スペシャルティコーヒー協会 (SCAA、現 SCA) が「80点以上 (100点満点)」という客観基準を制定し、今日では業界全体で共通のものさしとして使われています。

カッピングとは

カッピング (Cupping) は、生豆の品質を専門家が評価する標準化された手法です。決められた粉量・湯温・抽出時間で淹れたコーヒーを、訓練された Q グレーダー (Q Arabica Grader) が、決められた評価項目に従って 100 点満点で採点します。

評価される 10 項目

  • Fragrance/Aroma (香り) — 粉と液体それぞれの香りの強さ・複雑さ
  • Flavor (風味) — 口に入れた瞬間の味と香りの統合的印象
  • Aftertaste (余韻) — 飲み込んだあと持続するポジティブな風味
  • Acidity (酸味) — 単に強いか弱いかではなく「明るさ・キレ」の質
  • Body (ボディ) — 重さ・厚み・テクスチャー
  • Balance (バランス) — 上記要素が調和しているか
  • Sweetness (甘み) — 甘みの存在と質
  • Clean Cup (クリーンカップ) — 雑味・欠点の無さ
  • Uniformity (均一性) — 同じ豆 5 カップの一貫性
  • Overall (総合評価) — 評価者の主観的な総合点

各項目を 6〜10 点で評価し、合計に Defect (欠点) を引いて 100 点満点になります。80 点以上がスペシャルティの境界線。

スコアと等級の対応

  • 90点以上: Outstanding (傑出) — 世界トップクラス、COE 入賞レベル
  • 85〜89点: Excellent (優秀) — 上質なスペシャルティ
  • 80〜84点: Very Good (良質) — スペシャルティの下限
  • 80点未満: Commercial (商業用) — スーパー・チェーン店流通レベル

COE (カップ・オブ・エクセレンス) との関係

COE は各生産国で最高品質の豆を国際審査員が選ぶコンテストで、これに入賞する豆は通常 87 点以上。COE 上位はオークションで通常価格の 10〜100 倍で取引されます。日本のスペシャルティロースターでも COE 豆を扱う店が増えました。

消費者が知っておくべきこと

ロースターのウェブサイトやパッケージに「カッピングスコア 86点」と書かれていたら、それは Q グレーダー (もしくは経験豊富な焙煎士) が SCA 基準で評価した結果です。ただし社内評価か外部評価かで信頼度は変わります。COE スコア・SCA 認定 Q グレーダー評価などの表記があると客観性が高まります。

点数だけが全てではない

高得点 = 自分の好み、とは限りません。85 点のエチオピアと 84 点のグアテマラは「両方スペシャルティだがプロファイルが全く違う」状態です。点数はあくまで「品質保証」であって、好みは別軸。自分のフレーバーノート好みを把握する方が日々の選択には役立ちます。

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