グアテマラは中米を代表するスペシャルティコーヒー生産国で、火山性土壌・高標高・小規模農家が織りなす、品質と多様性のバランスが取れた産地として知られます。アンティグア・ウエウエテナンゴ・コバンなど、地域 (リージョン) ごとに明確に異なる個性を持ち、「グアテマラ」と一括りにできない多様性がスペシャルティ市場での魅力となっています。
アンティグア、ウエウエテナンゴ、アタトラン ── 8 つのリージョン
グアテマラ国家コーヒー協会 (Anacafé) は、国内のコーヒー栽培地を 8 つの公式リージョン (アンティグア、アカテナンゴ、アタトラン、コバン、フライハネス、ニュー・オリエンテ、サン・マルコス、ウエウエテナンゴ) に分類しています。それぞれが標高・土壌・気候の組み合わせで異なる個性を持ち、たとえばアンティグアは火山性土壌のチョコレートとスモーキー、ウエウエテナンゴは高標高の明るいシトラスとフローラル、コバンは雨季の長さによる繊細な酸など、地域ごとに「読みどころ」が分かれます。
小規模農家とコーヒー協同組合
グアテマラのコーヒー栽培は、約 12.5 万戸の小規模家族農家が支えています。これら農家の多くは協同組合に所属し、共同で精製・乾燥・輸出を行う仕組みです。Cup of Excellence への参加も活発で、毎年複数のマイクロロットが世界市場で高値で取引されます。日本でもグアテマラの小規模農家ロットは、丸山珈琲・堀口珈琲・ユニルなどダイレクトトレード系ロースターが扱っています。
ブルボン、カトゥーラ、パカマラ ── 品種の伝統と革新
グアテマラの伝統品種はブルボン・ティピカで、現在でも標高 1,500m 以上の高地ではこれら伝統種が栽培されています。一方、低地・中地ではカトゥーラ・カトゥアイなどの病害耐性品種が広く植えられ、近年は「パカマラ」(マラゴジペとパカスの交配種で、大粒で複雑なフレーバー) のような独自品種も注目を集めています。標高・品種・精製の組み合わせで個性が大きく変わるため、同じグアテマラでも「ウエウエテナンゴのブルボン・ウォッシュト」と「アンティグアのパカマラ・ハニー」は別の飲み物として楽しめます。