コロンビアは、世界第 3〜4 位の生産量を誇るコーヒー大国でありながら、コモディティ品ではなくスペシャルティ品でも世界最高峰の品質を維持し続ける珍しい国です。アンデス山脈の高地、年 2 回の収穫、そして「フェデラシオン・ナシオナル・デ・カフェテロス (Federación Nacional de Cafeteros)」というコーヒー生産者連合の存在が、量と質の両立を可能にしています。
アンデス山脈と「コーヒー三角地帯」
コロンビアのコーヒー栽培は、アンデス山脈に沿って南北に伸びる「コーヒー三角地帯 (Eje Cafetero)」── ウイラ・トリマ・カウカ・ナリーニョなど ── で集中的に行われています。標高 1,400〜2,200m の高地、火山性土壌、赤道直下の安定した気候が、コーヒー栽培の理想的な条件を提供します。緯度が赤道に近いため、北部 (シエラネバダ・サンタマルタ) では 4〜5 月、南部 (ナリーニョ・ウイラ) では 9〜12 月と、地域によって異なる時期に収穫があり、年間を通してフレッシュロットが市場に出るのもコロンビアの特徴です。
小規模農家中心の生産構造
コロンビアのコーヒー栽培は、約 55 万戸の小規模家族農家が支えています。1 戸あたりの平均栽培面積は 1〜2 ヘクタールと小さく、手摘み収穫が一般的です。FNC (生産者連合) はこれら小規模農家を組織化し、品質保証・教育・最低価格保証を提供する仕組みを 80 年以上維持してきました。スペシャルティ市場でコロンビアの個別農家ロットが「マイクロロット」として取引されるのは、この組織化された小規模生産の延長にあります。
カトゥーラ・カスティーリョ・ティピカ ── 品種の多様性
コロンビアでは、ブルボン系のカトゥーラ、病害耐性を改良したカスティーリョ、伝統的なティピカ、新世代のセニカフェ 1 (Cenicafé 1) など、複数の品種が並行して栽培されています。カトゥーラはバランス型の甘さ、カスティーリョは病害に強くナッツ寄り、ティピカは繊細でクラシックな酸味と、品種によってフレーバーが大きく変わります。「コロンビア」という大きなくくりの中に、これだけ多様な味のグラデーションがあることが、リピートで飲み続けて飽きない理由でもあります。